「エターナル・サンシャイン」★★★(5段階評価です)

 特定の記憶だけを消すことのできる治療で、恋人・クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)が自分の記憶を消してしまったと知るジョエル(ジム・キャリー)。彼もまた、クレメンタインの記憶を消そうとクリニックを訪れるのだが…。

 えーと。ジム・キャリーが、普通の、むしろ根暗な男性を演じられていることに驚く(笑)。主人公ジョエルは、男のダメな部分をめいっぱい詰め込んだような男。コンプレックスのせいか、恋人と言い争うと相手をやけに性的に中傷したりとか(生々しい!)、”結婚”などの責任感を問われる部分には踏み込めなかったりとか。で、その割に妙に未練がましかったりとか。お腹いっぱいになるくらいのダメ男ぶりを、ジム・キャリーが静かに演じていて新鮮だったのです。
 クレメンタイン役のケイト・ウィンスレットも、「タイタニック」の時には、深窓の令嬢というには骨太(失礼!)なのが気になったが、”飛んでる”系の役にはハマります。
 お話は、記憶を除去するためにクリニックを訪れたジョエルが、記憶除去の治療中に段々と意識が混濁していく部分は引き込まれて面白かった。恋愛の楽しい部分も悲惨な部分もなぞりながら、最後には”相手のことが純粋に好きなのだ”という根本に立ち返っていく。…と来て、ラストはちょっとクズつく! のが残念なのですが。
 あと1点、これまで数々の雑誌グラビア&スパイダーマン2で見かけてきて、”イマイチ!”感の拭えなかった、キルステン・ダンストが今回は良かった! 記憶除去クリニックの、いわくありげな受付嬢という役どころ。雑誌のような静止画ではなく動画、王道ヒロインではなく、”ニュアンスで見せる”役だと、表情の作り方、声の出し方等等、新しい魅力があるなぁと思ったのです。センス良いんですよ。ソフィア・コッポラのお気に入りだというのも納得。