「座頭市」★★★(5段階評価です)

公式HP:http://www.office-kitano.co.jp/zatoichi/

 盲目の居合の達人・座頭市。訳あって藩の師範代の地位を捨て、病身の妻のためヤクザの用心棒になる浪人、服部。仇討ちのために、三味線に刃物を仕込んで旅する芸者の姉妹。ヤクザの仕切る宿場町で、彼らの運命は交わることに……。

 北野武作品を一度も観たこともないしょろんですが、ベネチア映画祭で絶賛! のコピーに誘われ劇場へ。金髪の座頭市を拝んできました。血しぶきや傷跡のなまなましい殺陣やタップ、農民や職人が仕事をしながら音楽のリズムを刻んでいくようなシーンは素敵。全体の展開も飽きることなく観られました。しかし、ユーモアのセンスは全く異なる模様。ところどころに挟み込まれる「さあ、笑って!」と言わんばかりのシーンが、わ、笑えない。斜め後ろの席の、巨体の白人オジサマは大爆笑&ポップコーンをむしゃむしゃしていたのですが。……しーん……。あと、わりとマッチョな考え方なのかなと。当事者にはそれと知らせず、ウラでオイラが綺麗に処理しておきました、というのは自分の立場なら嫌かなぁとも思ったりもして馴染みきれない部分もあり。
 あと、浅野忠信をスクリーンにて初鑑賞。アラーキーが雑誌で『次の瞬間、抱きしめられるのか刺されるのかわからない雰囲気がある。それが女にウケるんだね』(ウロ覚えなのでおよそこんな)と言っていたのですが、納得。どこか心の読めない感じが、過去のある浪人役にピッタリ。ほぅ……。