「快楽電流」 藤本由香里

快楽電流

 アマゾンへのリンクhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309242138

 昔読んだ、同じ著者の「私の居場所はどこにあるの? 少女マンガが映す心のかたち」(ISBN:4313870113)がすごく面白かったので読む。セクシュアリティ中心の評論集。題材は売春、AV、レディスコミックなどディープ。著者の本からはいつも「書かずにはいられないのだ」という切実さが痛々しいほどに感じられるのだけど、今回は特にそう。赤裸々に自分の体験をさらけだして書いている。
東電OLはなぜ街に立ったのか、ということを起点にした売春心理のメカニズム解説(自己卑下と深い関りがある)はなるほど、と眼からウロコが落ち、女が「愛があれば」という時の「愛」とは、お互いを一対一の<対>として選び合うこと(具体的には結婚)だ、という指摘はすごく面白いと思った。また著者の藤本さん自身に対する興味も沸々とわいてくる。