「ニュースの現場から」 長野智子

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 著者は元フジTVアナウンサーで、その後フリーとなりテレビ朝日ザ・スクープ」のキャスターを担当。しょろんにとっては雑誌や新聞でお馴染みなのだが、適度にユーモアを交えつつも、地に足のついた文章や発言が気になったので読んでみる。
 第一部は、ニューヨークテロの直後からパレスチナに飛び、地道な取材を続けて書いたレポート。著者から「地に足のついた」という印象を受ける理由がよくわかるものだった。政治的な背景の解説は最小限に抑え、あくまでも自分の目で見たこと、体験したことを中心に書いてある。その態度が妙に深刻ぶったりせず自然体で冷静。なので、問題の根深さや様々な矛盾が肌のレベルで感じられた。今朝のニュースでイスラエルパレスチナの全面対決が伝えられていたけれど、無理もないと思うくらいの断絶がこの本にも示されている。
 第二部では、田中真紀子更迭問題や森前首相にまつわるエピソードを紹介。ここでも冷静な観察眼が感じられてなかなか面白かったのです。この方はまだまだ本を出していく気がする。