「うたかたの日々」 ボリス・ヴィアン

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 ようやく読了。岡崎京子の漫画化は、思いのほか原作に忠実であることがわかった。小説もやはり、文章の感じや設定は好みなのだけどどうも割り切れない感覚が残る。前半があまりに幸福で楽しいトーンなので、それが一気に悲劇的な展開になるのが切ないと同時に、やや受け入れ難いのです。こ、こんなに悲しくしなくても。
 ……と、釈然としないところに素敵な文章を発見(http://www007.upp.so-net.ne.jp/bubble-hour/favorite/utakata.html)。とても明晰でいい。おかげさまでようやく腑に落ちました。そして、特に「小沢健二の「ドアをノックするのは誰だ?」を聴くと、この小説を思い出す」という一文にはドキっとした。そう、この小説の幸福感はオザケンそのもの。そして、未だに気分の良い休日の朝、「Life」を聴いて時にはシャボン玉までしているのがしょろんなのです。受け入れ難い感覚の出どころに気づきました。気づいてしまいました。