『HERO』★★★★(5段階評価です)

syoron2003-08-25

 紀元前200年の中国。後の始皇帝、秦王は刺客に狙われ続け10年間鎧を脱いでいない。ある日ひとりの男が訪れる。「私は王を脅かす3人の刺客を討ち取りました」……功績により、男は王から10歩の距離まで近づくことを許される。刺客たちとの壮絶な戦いを語る男。しかし、その時王が看破する。「お前は嘘をついている。何者だ?」 男の口からは驚愕の真実が語られる…。

 うーむ、面白かったのです。映像よしお話よし役者さんよし! テレビコマーシャルで、映像の美しさがこれでもか、これでもかというくらい強調されているのですが、確かに大変素敵。いかにも大陸のセンスだなぁと思う鮮やかな色使い、舞踏めいたアクションにつれて動く衣装の襞……ワイヤーアクションや、時にはやや大仰な演出は好みが別れると思うのですが、私はOK。小道具も、水の滴る碁盤や、砂を使った習字の装置など、いちいち格好よいのです。中国4000年の底力ここにあり。
 そして、この映画は映像だけではない! ストーリーもシンプルかつ力強い。真の”英雄(HERO)”のあり方とは? というテーマに対し、「正義は必ず勝つ!」というような、悪く言えば単細胞な発想ではなく、重層的に捕らえているのがアジア的というか、深みがあって良いなぁと思ったのです。”西の「マトリックス」、東の「HERO」”とアクション大作のように扱ってしまうのは勿体無いくらい。涙・涙の感動だったのでありました。任侠好きの男の方などには特にたまらないと思う。まだ観ぬ人にはゼヒゼヒお勧めです。それも映画館にて。しょろん、オールナイトで二回連続観てしまいました。は〜、トニー・レオンさま……(溜息)