「ポセイドン・アドベンチャー」★★★(5段階評価です)

syoron2003-08-17

 アマゾンへのリンク:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009QI0S

 1972年アメリカ映画。豪華客船ポセイドン号が津波を受けて転覆した。生き残った人々は、今や天井となった船底へ向かうか、同じ場所に留まり救助を待つかの選択を迫られる。スコット牧師は、船底へ向けて移動するべきだと主張し、同意したわずかな人々と決死の脱出行に挑むが……。

 海洋パニックの古典と目されるこの作品。今は懐かしいフォークソングが、劇中でおじ様に「俺はシュトラウス(違ったかも)の方が好きだね」とぼやかれるような最先端の音楽だった時代のものです。それはさておき、色々と可笑しかったのです。そのフォークソングを船で披露する男女ふたり、なんと設定は”兄妹”。しかも、『兄なしでは生きていけない』とかなんとか、妹が泣くわ泣くわ……。ハッ、この漂う愛の気配は、もしかしてカーペンターズ!? という不思議さ(恋人同士の設定では何かまずかったのだろうか……)から、船からの脱出を試みる一行の先頭、スコット牧師の強引さまで。
 転覆し、今や沈没を待つばかりの船で行動を起こすスコット牧師たち。しかし、どうも牧師の行動を支配するのは全て”野生のカン”のようなのです。船については全くの素人、サバイバルの知識もない牧師は、なぜか次々と独断専行。しかも、その強引さに対するしごくもっともだなぁと思う疑問や反論があっても、時には無視、時には逆ギレ(『人数が多けりゃいいと思ってんのか! この多数決バカ!!』)、全く聞く耳を持たず根拠も説明しない……。正直、しょろんが同じ遭難の場面にいたら、あまり行動を共にしない方がむしろ安全ではないかしらと思うくらいなのです。いいのかこれで。いいのか!?
 安定感のある全体の展開などは楽しめたのですが、今回の映画から教訓を得るなら『災害時には何が幸いするかわかりません』というものになる気がするしょろんなのでした。