運命は変わるか

 梅雨も間近という最も無謀な季節にピアスホールを空けました。冬に空けるかどうしようか迷ってネットで皮膚科の検索をしたところ、「い……いちまんえん」という、思わず手のひらに汗をかくような値段設定に行き当たり、あぁしばらくピアスは無縁、と思い決めていたのですが、友人に話したところ「えっ、そんなことないよ私の空けたところはもっと安い、紹介してあげる」と言われ行ってきました。アクセサリーショップに行くと、明らかにイヤリングコーナーは縮小の一途をたどる今日この頃、しょろんも遂に心を決めたのです。
 場所は渋谷の医院。パンフレットを見るとほぼピアスの専門医院のようです。同じくピアスホールを空けに来たのであろう茶髪、金髪の若者たちが待合室に溢れ返り、目の前の20歳くらいの女の子は3人がけのシートをひとりで悠々と占拠し携帯メールに夢中。お、お嬢さん、立っている人が何人もいますよ……とは言えない気弱なしょろんでした。なんと言ってもここは渋谷。コギャル(死語?)の巣窟あるいは総本山。しょろんのようなジャケット着用OLは明らかにマイノリティなのです。
 手続きはとっても気軽。まずはカウンターで申し込み用紙にファーストピアスの型番(アレルギー対応とか色々種類豊富)を書き込み提出。なんと住所も記入不要でした。5人ずつくらい呼ばれて別室に入ると、順番にピアスホールの位置をサインペンのようなもので記され、その後また順番にピアスホールを空ける器械で穴を空けられていく流れ作業。この器械、ピアスを耳たぶに打ち込む瞬間に「パンッ」という破裂音がするので少々心音が乱れましたが痛みは注射程度でした。その後、ホールの消毒の仕方を教えられておしまい。お値段は、さすが友人の言ったとおり、両耳アレルギー対応チタンピアスに消毒薬を追加して丁度5000円。半額。
 医院を出て「おかげさまで、無事空けられました〜」と友人にメールすると「ピアスを空けると運命が変わるらしいよ♪」とのレスが。しょろんの運命やいかに。その後5分と経たないうちに、髪をかきあげようとしてピアスにひっかけ、硬直して涙目になったのは何かの暗示ではありませんように。