「アニマトリックス」★★(5段階評価です)

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 「マトリックス」の監督、ウォシャウスキー兄弟が、日本を中心としたクリエーター達とコラボレート。「マトリックス」にまつわる様々なエピソードを9編のオムニバス・アニメとして収録。

 「リローデッド」を見る気満々の人間としては外せない、と観たものの。正直なところちょっと拍子抜けしてしまったという自分でも意外な展開。なぜかしら、と考えて、自分がこのオムニバスに色々期待していたことを思い出しました。
 まず、第一作で眼を丸くしたような、映像のスタイリッシュさがあるに違いない。そして「世界同時発売」という晴れがましさから、スケールの大きさを想像。何と言ってもマトリックスの名を冠すからには、自分を含め、これまでアニメをそれほど観なかった世界中の人が手に取るわけで。それに相応しい、日本アニメの素晴らしさをギュっと詰め込みつつも、初めての人にも楽しめる入門編になっているに違いない……。
 ↑という、数々の勝手な確信の元に観たので、9本の短編、それぞれまとまりも良く面白いとも思ったのですが物足りなかったのです。日本アニメの、ロボットやメカの異様に詳細な描写が好きな身としては、略画のようなそれらはちょっと悲しい。日本アニメとアメリカのアニメ、単純な融合=カッコよさではないのねとようやく理解しました。
 そして、日本アニメの入門編としてもやや楽屋落ちの印象が。例えば、「プログラム」は短編としてすごーく面白いけれど、日本人だからこそあのスタイリッシュさを理解できる側面が大きいと思う。「ディテクティブ・ストーリー」も、レトロなハードボイルドの世界にいきなりトリニティ登場、というのは面食らった。日本アニメにまるで初心者で、しかも映画のマトリックスの世界観に浸かった人はちんぷんかんぷんになるのでは。少し解説を加えるだけで全然違うと思うのだけど。
 などなど、自分の期待との擦り合わせに手間取り、戸惑った鑑賞時間となったのでした。うーん。観るまでにアレコレ考えすぎましたと反省の巻。