「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」★★★★(5段階評価です) 

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 1984年作品。高橋留美子の人気マンガ「うる星やつら」の劇場版第2作。押井守監督。
 主人公の男子高校生・あたるとそのフィアンセ・ラムの通う友引高校は、学園祭を翌日に控え準備に大わらわ。しかしその「学園祭前日」は延々と繰り返されて「当日」に進むことがない。事態に違和感を覚える人が、少しずつ現れるのだが……。

 「うる星やつら」といえば、白人おじさん(アニメ好き)のポパイ風力こぶに刺青された「ラムちゃん」のイメージしかないしょろん。実に偏った理解です。しかし攻殻機動隊は面白いねぇという話題展開の中で「そうだ、他にも押井守の監督作があるよ」と、友人宅で鑑賞会がスタート。
 とっても不思議な話でした。始めはドタバタコメディタッチのノリが、どんどん背筋がゾクっとするような不気味さを持つようになって、畳み掛けるような問いが胸に残る。哲学的で問題意識の塊のような作品。あと、最後のオチ! 通常忌み嫌われるこのオチを、正面きって、しかも見事に使っているのはすごいと思った。こう来るか。散りばめられた監督の思想や謎かけを解読するには、大変な手間そして知性が要求されることでしょう。しょろんには、押井守が正真正銘の鬼才であること、その一点は明確に理解できました。
 一方で、しょろんの偏った「うる星やつら」への理解は、この映画を通じて深まったというより、逆に偏りが促進された気もしないではないのです……。