「WATARIDORI」★★★(5段階評価です)

 公式サイト:http://www.wataridori.jp/

 2001年フランス映画。100種類を超える渡り鳥の姿を追ったドキュメンタリー。制作期間に3年半、制作費に20億円がかけられた大作。

 飛ぶ鳥を間近から捉えた映像が斬新でした。
 卵の段階から鳥達を育て、スタッフを親として「刷り込み」、グライダーで共に旅しながら撮影するという労力をかけたそうです。その甲斐あって、これまでお馴染みだった、地上から望遠レンズで飛ぶ鳥を撮影した映像とはひと味もふた味も違うものになっています。
 羽ばたく鳥の背中の動きや、ピンと張り詰めた首周り。普通は見られないこれらの様子がつぶさにわかって面白かったです。合図し合うような鳴き声や、隊列の下を流れる地上の風景とも相まって「あなたも翼をつけて世界中を旅する」(公式サイトより)というコピーも納得の楽しさ。
 姿も鳴き声も様々な鳥達が、これまた様々な土地を旅する映像を通じ、彼らの生きる不思議な世界(そもそも、なぜ急き立てられるように、命を賭けて旅をしていくのだろう?)を垣間見られる作品です。
 ただ、ナレーションは約20分に1回、ストーリーもあるようなないような、という調子なので、99分は私にはやや長く感じられました。最後の方は、気持ちよさげに飛ぶ鳥に、こちらまで肩の力が抜けてコクリ、コクリ。きっと、仕事の後、夜9時最終上映を観るなんてスケジュールのせいもあったのでしょう。癒し効果は絶大なのですが。